スイング時の左股関節の痛み 女子プロゴルファー

【症状】
元賞金女王のプロゴルファー。
数週間前より左股関節に違和感が出始めました。
初めはフォローの際に体重がのりにくいのが気になりましが、今では痛みに変わり、
バックスイングでも痛むようになり、ひどいときは歩くのも痛みを感じるようになりました。
来院時には、仙骨付近の痛みと不安感もありました。
思い当たる原因は特にないが、ここ最近は、腸腰筋のトレーニングを重点的に行い、
力も入るようになっていました。
【分析】
姿勢検査で股関節が左に流れ、状態が右に傾いていました。
動きでは右の腰方形筋や殿筋が緊張し短縮していたので、
左の股関節に関わる筋肉に負荷がかかりやすい状態になっていました。
左の中殿筋、大腿筋膜張筋、大腿直筋、腸腰筋、内転筋、ハムストリングに緊張がみられ、
特に大腿筋膜張筋と中殿筋は伸張性の負荷がかかっているようでした。
腸腰筋をチェックすると、体幹が使えておらず、他の筋肉との協調性が取れていない状況で、
大腿直筋を使おうと身体が反応していました。
胸椎の伸展制限もあり、回転においてうまく身体を使えない状態でありました。
【施術】
左の中殿筋、大腿筋膜張筋の伸張性により負荷がかかった過緊張と右の腰方形筋と
殿筋群の収縮性の過緊張をそれぞれ取り除くことから行いました。
また、身体の回転に大きく関わる胸椎へもアプローチしました。
これにより痛みは半減し、腸腰筋への力も入りやすくなりました。
仙腸関節、殿筋、腸腰筋などにもアプローチし、3日間の施術を行いました。
痛みと仙骨への不安感もなくなり、体重移動はほぼ問題なく出来るようになりました。
その後は次回の試合に向けて、地元で調整していただくことになりました。
今回の症状は、股関節のアンバランスが原因と思われます。
昨年に身体を拝見した際にも、左の腸腰筋には力が入りませんでした。
しかし、これは筋力が単にないだけではなく、関節の状態、周りの筋肉の状態が整っていないので、
うまく使えない状態が原因でした。
その状態で左の腸腰筋の単独トレーニングを行うことで、他の筋肉への負荷が増強したと思われます。
関節がロックし他の筋肉もロックすることで力はうまく発揮されます、
それがなされない状態であったので、仙骨への違和感もでたのだと考えられます。
ゴルフもトレーニングも、しっかりとした身体の状態を作ってから行うと、
効果もあり、リスクも少なくなります。
皆さんも身体の状態を整えて、楽しくゴルフをしましょう!!