私のクリニックにはプロゴルファーから練習を始めたばかりの駆け出しゴルファーまで多くのゴルフ好きが集まってきます。
70歳を過ぎても楽しくゴルフをされている方、父親を喜ばせるためにスクールに通い始めた若い女性、そういった老若男女を問わず楽しんでいる姿を見るとゴルフが生涯スポーツだと言われている意味を改めて実感します。

とは言え、私のクリニックに来るゴルファーは、
腰が・・・とか、練習すると肩が・・・といった身体の痛み、故障を抱えている方が殆どです。
つまり、私のクリニックは「楽しいはずのゴルフが楽しめないゴルフ好きが集まるクリニック」とも言えます。

初心者もベテランでも、ゴルフの楽しみを奪うこの痛みや故障を避けることができるゴルファーは殆どいません。
それでもなぜゴルフを続けるのか?
それは、それでもなおゴルフは楽しく、素晴らしいスポーツだからです。
スコアに挑戦する楽しみ、誰かとラウンドする楽しさ、緑に囲まれて過ごす素晴らしさ、そして生涯スポーツとして優れているから・・・ゴルフを止められない理由は尽きません。

そんな「楽しいはずのゴルフを楽しめないゴルファー」達を、
「ゴルフが楽しめるゴルファー」に戻してきた経験から、
故障しない身体とスイングを創る、カラダ改革のコツをお伝えしています。

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ゴルフ理論の正誤判断・・・如何に!?

「このスイングを取り入れたい!」
「これが出来ればもっと飛ぶのに!」
と思っていても、数多あるスイング理論を上手に取り入れることはとても困難です。
体重移動、オンプレーン・・・
理論や理屈はわかっていても上手くいかないのが実状で、
特に、一連の動作である筈のスイングを分解し、個々に修正していくと、
「一つ直すと他がダメになる」と言った事態が多々あります。
スイング理論が誤っているからなのか身体が硬いせいか、
そのうち一つの理論さえ中々身につかないものです。
果たして一体どの理論が正解なのでしょう?
答えは・・・
「どれも正しい」というのが私の見解です。
・理論の表現方法
・ゴルファーの理解の仕方
の2つのギャップが大きな障壁になっているだけで、
スイング理論そのものに正解や誤りがあるわけではないのです。
そして、スコアを伸ばしてくれる筈のスイング理論を実践できないもう一つの理由があります。

臨床的立場からの見解

約10年前より提唱しているスイングショルダー(ゴルフ肩)に始まり、ゴルフ肘、腰痛、背部痛・・・
数えれば切りがない程のゴルファーの臨床を経験してきて気付いたのは、
「技術レベルの前に姿勢が悪い!」という事です。

これは、単に見た目が猫背だからとかそういったレベルでは無く、
「自分の身体能力を最大限に使う事が出来ていない姿勢」を言い、
それこそが、ゴルファーにとっての悪い姿勢ということです。

前述したとおり、スイング理論を上手に取り入れることができない理由が以下です。

姿勢が悪く、身体を最大限に使えないと、
・可動域が低下する
・腕や足に力が入らない
・腹圧が低下する
・踏ん張れない

等の事態が起こってきます。
スイング中の一連の動作の中で此等の事態が起こったらどうなるでしょうか?
答えは明白で、習得できずに諦めるか、無理をして怪我をするかのどちらかしかありません。

ゴルファーにとっての正しい姿勢の肝は「軸」にアリ!

もう少し詳しく分析します。
ゴルファーにとっての悪い姿勢、
「自分の身体能力を最大限に発揮できない姿勢」には一つの共通点があります。
それは身体の軸バランスが悪いことです。
身体の軸とは、

その1 前後軸
・上半身(背骨から骨盤)
・下半身(股関節から足)

その2 左右軸
・上半身(肩甲骨、鎖骨、上腕骨)
・下半身(仙骨と股関節)

の事です。
それぞれ上半身と下半身に別れ、此等がブレることなく連動して動くことで初めて、
「自分の身体能力を最大限に発揮できる姿勢」になります。
必用な筋肉には力が入り、無駄な力は抜け、腹圧も入るので体幹は安定する、
軸のブレた状態ではとうてい不可能です。
軸が整って安定した状態こそ、テクニックや練習より前に来る大事な要素なのです。

と、言うことで 「スイングの前に姿勢を変えろ!」

スイング理論は間違えていない・・・その前に正しい姿勢と軸を身につけカラダ改革から始めましょう。