今回は「このいたみはスイングショルダーではありません」ということで、

痛みの場所は似ているが、もっと重篤な症状である症例をご紹介します。

こういった場合は、整形外科での受診からカイロというのがいいですね。

(問診)

40代 男性
左肩甲骨間の痛みと腕の痛みを訴えて来院。
以前から痛みをたまに感じていたが、3週間前から強い痛みが発症。
2週間前に整形外科を受診し、MRIにて頚椎7番の神経が圧迫されていると
診断を受けた。
ロキソニンを処方されたが効果ない。
2つのカイロプラクティック院へ行ったが、効果はなかった。
10年前から痛みはあり、4年前に強い痛みが出て以来の痛み。
その時はブロック注射をやり、即効性はなかったが徐々に軽減していった。

(分析)

MRI画像をみせていただき、圧迫がある個所を確認。
他にも骨棘による圧迫がみられた。
安静時でも痛みがある。
痛みの為に背中は丸まり、首は前に倒し右へ傾いていた。
首の動きでは左側屈、左回旋、伸展で痛みが増悪。
感覚の異常は顕著ではなく、筋力も問題なかった。
胸椎の動きの制限、首の左右の筋バランスと頚胸部の動きの制限があり、
頚椎の圧迫を増悪させているようであった。

(施術)

首の伸展、左側屈、左回旋、つまりの椎間孔が圧迫される動きで痛みは再現されるので、
それとは逆の動きに持っていくようにアプローチ。
骨盤、胸椎、肩甲帯、体幹前面、全体の圧迫に対する施術を行い、
家で気を付けることを指導。
薬と併用で10回の施術を行った。
痛みは残るが、走る、泳ぐなど運動もできるようなった。
伸展での痛みは残るので、引き続きペースを落として定期的に施術中。

(考察)

今回のケースは頸椎の圧迫による神経症状でした。
MRI画像では、椎骨は骨棘だらけで、いつ圧迫で痛みが起きても
おかしくないようなレベルばかりでした。
しかし、ここで考えるのは、10年前から痛いということです。
おそらく骨棘も今すぐにできたものではないと推測されます。
それでも痛い時といたくない時があるという事は、
単に圧迫されれば痛みやしびれが出るわけでもないということです。
神経に炎症物質が反応しそれによる痛みやしびれも出ることがあります。
神経に対する圧の軽減と炎症反応を抑える。
その両方のアプローチが必要ということです。
整形でのアプローチ、カイロでのアプローチ、
両方あればよりいい結果につながるという症例でした。