症状

右の臀部の痛みを訴えて来院。

一ヶ月弱前に練習場で300球以上打ち込み、途中から右の股関節から臀部にかけて張りを感じた。

翌日から段々と張り感が痛みに変化し、歩いても痛み、時には鋭い痛みを感じることもある。

長時間同じ姿勢でデスクワークなどしていると、重だるい痛みが感じられる。

しばらく練習をすると痛いので、していなかったが三日前に練習へ行ったが、痛くて50球も打てなかった。

徐々に症状は悪化している。

二ヵ月前からスイングの改造に取り組んでいる。

検査

姿勢では上体は右に傾き、股関節は右に流れているようであった。

歩行では右股関節に体重が載ると、外へ流れてしまっていた。

猫背と反り腰が合わさり、腹筋群の緊張低下、腰筋、左腸腰筋、左殿筋の過緊張が起きていて、右中殿筋の筋力低下もみられた。

 

施術

施術は初めに左骨盤周りの筋の過緊張を取ることから始めた。

腰椎伸展、胸椎後弯、右中殿筋へアプローチすることで、股関節の右への動揺性が減少。

殿筋と腰筋のストレッチを指導し、家でやってもらい5回の施術で痛みは消失した。

分析

今回のケースはスイング改造に伴う影響が一番ありました。

テークバックでの上体の回転を大きく使うことと、右から左への体重移動をうまく行うことを意識していました。

テークバック時に大きく下半身を回そうとすると、右股関節の外側後方へ一番負荷がかかり、それを抑えられないとスウェーしてしまいます。

加えて右に体重がしっかり乗るようにする意識をすることでも、より強く股関節外後方へ負荷がかかると考えられます。

また、体重移動の際に右から左で止める時に、左の腰を含め股関節周りの筋肉が踏ん張ります。

それが腸腰筋であり腰方形筋です。

これら左の筋肉が過緊張を起こすことで、股関節は右へより動揺性を増します。

この負の連鎖が今回の症状を悪化させたと考えられます。

過剰な意識とバランス低下で、筋力がうまく発揮されないことでいろいろなところに痛みは現れます。

重心を軸をしっかりと意識し、体重移動は過剰にせず、振り切る意識が大切です。

皆さんも気を付けてください。