よく聞かれることで「この痛みは冷やすの?温めるの?」と聞かれます。

この問いに対して「分からないときは冷やしてください」とお答えします。

冷やすことのメリットは、炎症部位を広げないようにすることと、鎮痛効果です。

温めることのメリットは、筋肉を緩和し血流を促して治癒を促進します。

実際に患部を損傷し、損傷部位の細胞を修復するためには、

血液やリンパが循環していなければいけません。

冷やすことはその働きを止めてしまうので、治癒が悪くなります。

しかし、損傷直後に温めれば、出血がひどくなり組織の損傷がひどくなります。

損傷部位へのアイシングの効果は、受傷後5分以内がベストと言われています。

損傷をすると細胞が壊れ、中の物質や血液が外へ流れ出てしまい、これが腫れの原因になります。

腫れがひどくなると周りの細胞の循環を妨げ、酸素の供給などが悪くなり、

本来損傷していない細胞もやられてしまいます。

流れ出た血液も同様に他の細胞に悪さをします。

これを素早く止めることが、受傷後一番早くやらなければいけないことなのです。

そのためのアイシングであるので、1時間後では遅いということになります。

しかし、一時間後に温めたら腫れはひどくなることが予想されます。

厳密にいえば受傷後分以内ですが、だからと言ってそれを過ぎたら温めるとも違います。

怪我の状態にもよりますが、私は受傷後3日はアイシングを繰り返してもらうよう伝えることが多いです。

その後、アイシングと温めを交互にし、1週間くらいして温めに専念してもらいます。

それでは、自分でどう判断すればいいかということですが、

明らかに捻挫のように捻ったとか、腰に急激な痛みが走って動けなくなったなど、

痛めた瞬間が分かる場合は冷やすほうがベストだといえます。

朝少し痛くて午後にかけてだんだんと痛くなったなど、徐々に痛くなるよな場合は温めがいいと思います。

ただし、内臓系の問題で腰痛など引き起こしている場合は、温めるとアウトです。

ですので、判断が難しいですね。

そこで究極の選択としては「分からない場合は冷やす」ということです。

治りは遅くなるかもしれませんが、ひどくなることはまずないからです。

あまりお勧めいたしませんが、どうしても相談する人もいなく、

どうにかしたいときは鎮痛効果もあるので冷やすほうがいいと思います。

どちらにしても、まずは専門家に相談してみるのが一番です。